ひとり暮らしの防犯 1

東京や大阪など、元々都会に暮らしていると、案外鈍いものだか、地方の人間にとって、また始めてのひとり暮らしだと「東京は怖いところだ」という想いがあるようだ。本人になかったとしても、大事な子供を都会に送りだす親の方には、昔から刷り込まれている「都会は怖い」という先入観は根強く残っているらしい。

「親が大反対でしたね。僕はひとり暮らしをどうしてもしたかったんだけれど、母親が心配性で、高校三年に入ってから延々と説得してようやく(笑)」
というのは、池袋にあるコンピュータ技術の専門学校に通う佐橋くん。大塚の駅からほど近い1DKのアパートは趣味の推理小説の本で埋め尽くされている。
「いまどきは、僕の田舎の新潟でも東京でも、危険度に違いはないと思うんだけどね」

よほどセキュリティのしっかりとしたマンションや学生寮などに住んでいれば別だが、ひとり暮らしのアパートには、勧誘やセールスなどがひっきりなしにやって来る。特に、宗教と新聞の勧誘は避けては通れない上に数も半端ではない。
「もう参りますね。休みの日は家にいないようにしています」と語るのは、新宿にある外国語専門学校に通う吉岡くん。住まいは新宿に近い大久保の築30年以上の二階建てコーポだ。
「土地柄なのかも知れませんが、一日中、ひっきりなしに何かの勧誘かセールスがやって来る。先輩も近くに住んでいますが、チャイムが鳴ろうがドアをノックしようが、絶対に出ない。お前もそうしろと言われ、最近では反応しなくなりました」
どんな危険が潜んでいるか知れない現代社会。まず、ドアは開けない。これは鉄則です。勧誘だとわかれば、無愛想に「今、忙しいので」とドア越しに追い払うのが吉。もしもしつこいようなら「警察に電話するぞ」と強気に。

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